それでも、生きてる
いろいろとわかんなくなって
目の前に色んなものが立ちはだかって
この命を何に使いたいかが見えなくなって
それを見ないようにして
全部先延ばしにして
”死にたい”とつぶやいてみたり
何かのせいにしてみたり
勝手に一人で苦しんでみたり
それでもこうやって生きてて
昼間は自分の部屋のすりガラスを木漏れ日が揺らして
その窓を開けると小鳥のさえずりが入り込んできて
そのままうたた寝してたらいつも間にか夕方になってて
まだまだ明るくて夏に近づいていることを気づかされて
夜にはどうしようもない自分にどうしようもなくなって
それでもこうやって生きてて
こういう今が辛いのかもよくわかんなくなって
結局年月だけ無駄に重ねた大きくなっただけの子どもで
まだ何かから抜け出せていなくて
まだ何かが足りなくて
途端に自分が情けなくなって
それでもこうやって生きてて
結局どこに行っても誰といても
自分は自分でしかなくて
”傷つかないための自己犠牲”で一番傷つくやつが誰なのかを本当は知ってて
それでも自分を生ききれてなくて
完璧じゃなくていいのに完璧を求めてしまって
自由だからこそ不自由で
正解を答えるために生きてるわけじゃないのにそれを選んでしまって
いつまでたっても同じところをぐるぐるぐるぐるさまよってばかりで
それでもこうやって生きてて
いつまでたっても素直とか正直が怖くて
だからいつも自分に言い聞かせて
それはもう言い聞かせてきて
色んな人に会いに行って色んなことにチャレンジして
自分にこんな生き方ができるなんてって思って
それが一番だと信じて
それはもう信じるしかなくて
でもこれが意外としんどくて
でもそれが結構しんどくて
それでもこうやって生きてて
ああちくしょう
言葉なんて不完全だ
頭の中のこれっぽっちも表せないじゃないか
それでも僕はそんな不完全なものを使ってしまう
それでもこうやって生きていることを言葉にしてるじゃないか
それでもこうやって生きてるじゃないか
やっぱり僕にはこれしかないのか
（本当は僕なんてもう使いたくない）
心に嘘はつきたくない
言葉に嘘はつきたくない
だから自分に嘘をつくくらいなら僕は何も言いたくないんだ
だから嘘を発するよりも口を噤（つぐ）むことを選ぶんだ
そうだった
そうだったんだ
不完全な言葉を信じてる
不完全だから信じてる
そのままの言葉を信じてる
そのままだから信じてる
それだけだ
それだけだったんだ
それでも、生きてる
それでも、生きてるんだ
